モチーフ?

音楽におけるモチーフ(motif)とは、楽曲の中で繰り返し使われるフレーズのことですが、作曲家が曲中に散りばめたそれらを見つける作業はとても楽しく、時間を忘れて探してしまいます。


子供の頃に『ウォーリーを探せ』で熱中した時と同じ感覚で時間を忘れて取り組んでしまいます。

レッスンを通じて毎日10数曲以上楽曲と向き合うのですが、生徒と共に探す(ウォーリー)はどれも素敵なウォーリー(モチーフ)に見えてしまいます。


またそのモチーフは時代を跨ぎ、何度も何度も引用されループしているようにも思えます。


ギター楽曲においてもモチーフ法を伝統的?に引用して作曲されされている曲が沢山あり、


例えば近代音楽の大家ホアキン・ロドリーゴが作曲し、1961年に行われたパリ国際ギターコンクールの作曲部門に匿名で参加し優勝した名曲『祈りと踊り(祈祷と舞踊)※ファリャ讃歌』も先人が使っていたモチーフを利用した名曲です。


M.de.ファリャが作曲したギター曲『ドビュッシー讃歌』(ドビュッシーの墓に捧げる)の短2度を行ったり来たりする特徴的かつシンプルなモチーフであったり、同じく『魔法の輪』の一節、踊りにおいては狐火の踊りをモチーフにロドリーゴ特有の響きで彩られています。


そしてファリャが作った『ドビュッシー讃歌』もまた、ドビュッシーの『グラナダの夕暮れ』を引用して作曲されています。


のような座学を知って演奏するのと、知らずに演奏するのはどちらが良いか…はたまたそれはそんなに重要な事だろうか…。


結論からいうと演奏が良ければそれで良いのだと思います。


が、年齢的にプレイヤーとしてトータル時間を折り返した私の身からすると、知ってから演奏する方が有意義に感じ、知識を持っている時間の方を長く過ごしたいとつくづく最近思います。


(おまけ)

19世紀からこれまでに作られた数々のギター曲の中には、やはり既出フレーズが偶然出来てしまう事もあるようです。


例えば、L.ブローウェル『11月のある日』中間部とJ.サグレラスの『マリアルイサ』の冒頭はラシドミラシドであるが、これはおそらく偶然でしょう。


日本で有名なジブリの曲『魔女の宅急便(風の丘)』の中間部にもヘンデルのパッサカリアと似た和声進行が発見出来る。


しかしながら1980年代から流行っているJ.イルマルのバーデンジャズ組曲の2曲目って…エオリアンハープのパク………


熊本のギター教室 みよしクラシックギター教室